朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

2018-01-01から1年間の記事一覧

にべもなく

新宿プローズ まぶたを閉じた思い出横丁 人のいない小田急前、ルイヴィトンの広告にキスするスペイン人 新宿御苑落ち葉のシャワー 心の落ち葉がかさかさと音を立てる 積もった言葉が踏みしめられ ぱきりぱきりと鳴いている 夜の砂漠みたいな人だった 水を渇…

書き直さない文章4

11.29 社会学部の教授の担当する講義を聴講した。ゲストスピーカーは以前、研究室で会ったことのある女性だった。受講生は少ないのか、サボりが多いのか、地下の小教室は霜月の冷気に浸食されてうらさびしい感じだった。 入管法の改正年度と不法就労者のグラ…

リズム

サイゼリヤでワインを飲みすぎると決まって頭痛がやってくる。 池袋から最寄りの駅までずっと大きかった耳鳴りは、通り雨に湿ったプラットホームに降り立つと酔いとともにどこかへ消えていった。秋の夜の外気に触れて目が醒める。 一番仲の良い大学の友達と…

jam

自己の連続性について考えさせられている。 確かに過去は現在を経由して未来に向かっているはずなのだけれど、果たして主体は一貫しているのだろうか。 永く私は、人生を歩むのは自らの足でと考えていた。幾筋にも分かれうる道の真ん中を踏みしめて前進して…

生活

泣きたいほど冷たい雨だった。 秋も深まる10月の夜の通り魔は、河原を歩いてバイトに向かう女子大学生の頭のてっぺんからつま先までずぶ濡れにして逃走した。 雨宿りする屋根もない道を仕方なく進み、店に着いた時には靴が鳴くほどになっていたので、置きっ…

手記

最近は文章を書く元気もなくてたまに写真を撮るか撮ったものを眺めるかばかりしている。芳しくない。 日々の出来事を綴ろうと思ってもなかなか筆を取れないまま毎日オンとオフを切り替えている。ちなみに昨日は一日オフだった。休みとかそういう意味ではなく…

白のスニーカー

善くありたいという素朴で寂静とした希望は干からびるように潰えた。 生きることが終わるまで待っている。 内側から朽ちるようにがらんどうの心臓部で祈りが反響する。 帰る場所がない。夕陽。

薫り好い港

清潔なカフェテリアで珈琲を飲んでいる。もう飲み干すというころになって人の生活が綴られた文章を読み始めたら自分も記録を取る気分になった。 現在留学している大学では食べものや飲みものを入手しやすい。アルコールの品揃えはあまりよくない。 さよなら…

書き直さない文章3

7.13 fri 久しぶりに(5日ぶり)お酒を飲んできたのでぼーっとした頭で文章を書いてみる。 さきほどまでインターネットの人と通話していた。酔った時にだれかの声を聴きたい人と 酔った時だれかに喋りたいわたしは、相性がとてもいい。会ったことはない。普…

かろやかに

言葉の中で自由になる練習が必要だと思った。 ちはやふるの綾瀬千早も「競技線の中で自由になりたい」と言っている。 彼女にとっての競技線とは、わたしにとっての言葉とは制約だ。決められた枠。この中で自分自身を思いのままに操縦することはとても難しい…

歩かねばならない

歩かねばならない。道のりは長く、険しく、連れもない。しかし往かねばならない。 書かねばならない。繰る頁は白く、果てはなく、読む者も居ない。しかし書かねばならない。 隠さねばならない。明かす事は容易く、魅惑的で、誘われるまま打ち明けてしまいそ…

履修状況

授業がたのしくて嬉しい。 誰に伝えるのが最適かわからないのでブログに書くことにする。先に卒業していった友人たちに話すと自慢のように聞こえてしまう気がする。塾の生徒にたまに話す。長くなっています。 私はレポートや論文を執筆するのが苦手なので、…

お酒の飲み方

わたしは自他共に認める酒飲みだ。ほかに呼び方を知らないので呑兵衛と言ってくれてもいい。アルコール中毒患者予備軍だ。一年くらい前から。 お酒の味はだんだん好きになっていったけれど、二十歳のときは特にそこまで飲む方ではなかった。飲み会に行っても…

書き直さない文章2

人はみんな自分が一番寂しくなれると思っているから、他人が寂しいと言った時に(っていう振りでしょ)と思ってしまうものなんだ。誰もが個別の悲しみや淋しさや孤独を抱えていて、だから私たちはどこまでもひとりきりだ。そしてそれはとても自然だ。 母にバ…

書き直さない文章

心の赴くままに戻ったりしない、消すこともしない文章を書く試み まるで万年筆で上等なノートに書いているような。一筆書きのような 自由で不自由な反復作業ではない執筆。 たまに書き足していこうと思う 7.1 sun 人と会わなくなった。人というのは人間全般…

face up

最近悲しいことばかり書いているので明るい話をしたいと思います。何がいいかな。 芝生の話をしようと思います。 芝生に寝そべるのが好きだ。地面であればテニスコートでも、屋上でも、なんでもいいけど空が見える場所がいい。 仰向けに横たわると視界いっぱ…

動物の勘

メモ書き程度ですが、先週から色々あり忙しなく日常に追われる中、後で思い出せるように残しておきたいと思ったことを記録します。 遠くに住む父方の祖母が倒れました。延命のための緊急手術が施されましたが、意識はもう戻る見込みはないとのことです。母が…

さみしい人

夜眠りにつく前どうしてもさみしい。 人と話していたらさみしくない。 永遠に誰かといることはできない。 埋まらない、足りない。 周りの人を食いつぶしそうでこわい。 という文章が残されていた。天気のよい昼間は一人でも自由に生活を享受しているけど、夜…

空間の余白

小さな部屋の中で夏の薄掛けに包まっているとだんだんひとりであるような気がしてくる。喉の奥が詰まって苦しい。 寝ていられないほどになったので、まだ半分眠ったままの町に自転車で出ることにした。 家から歩いて行ける距離に大きな河川とそれに沿って土…

心労

心に負担がかかる瞬間がある。 良くも悪くも心が動いたりギュッと潰れるように軋む時、実際に喉の奥が痛い。首の根本と言うべきか、鎖骨の上と言うべきか。 とかく人の世は心が乱れることばかりなので、今日もギシギシと心の骨が押される。 今週は家の中にず…

覚え書き

生きている体が重い 鼻が詰まって息苦しい 生きているから苦しい

六月の薔薇

昨日はインターネットの人と会った。 最近インターネットの人と出会うことが多い。わたしがそういう機会を多く求めているからだ。 といっても、いわゆる出会い系SNSは利用せずニュートラルにツイッター経由で、フォローしている人を中心に、個別に会う約束を…

共同体の記憶

幽霊ってどういう存在だと思いますか? 実体の無い体 でも確かに存在する何か まやかしと取るか リアルと捉えるか 幽霊という言葉を聞いた時、どうしてもホラー的なイメージが先行してしまうけれど、この言葉自体は形のないものを表す時にも使用されますね。…

無題

- 言葉の出がらしになった

一度出会ったら人は人を失わない

江國香織の小説でもっとも好きな一文だ。 そう、私たちは一度会えたら永遠に別れることはないのだ。途方もない距離が二人の間に生まれても。死が二人を分かつとも。 わたしは、親しい人のふと見せる表情の不在が好きだ。何か考えている時、または何も考えて…

暮らしの匂い

今、新浦安駅から京葉線に乗り、シリシリと沈みゆく太陽を車窓越しに見つめている。 新浦安は不思議な街だった。新しいものたちで構築されたコンパクトシティ。明海大学のキャンパスがあるので学園都市としても機能している。駅のそばに住んでいるのであろう…

喋れども喋れども

喋れども喋れどもという国分太一主演の日本映画がある。浅草が舞台の話で、落語家である主人公が話術の体得に苦心しながら、落語の教室を開いて話し下手の人間を育てる話である。話し下手を治してくれるという落語家のトークレッスンに参加する生徒は3人。無…

ゴールデンウィーク明け

世間の心象がそのまま映し出されたような薄ら寒い曇天の月曜日。 正午過ぎにのそのそと起き出し名古屋の内定先に出す書類を記入して、寝巻きのまま郵便局まで出しに行く。期日までまだ余裕はあるのに、いつもの癖で速達にした。 駐輪場の重たい鋼製のドアを…

transit/ interval

大学時代というものは 大学時代というものは、飛行機の乗り継ぎを待つ時空間に似ていると思う。 人によっては、学府にも企業/法人にも所属しないいわゆるニートの期間がそれに当たるかもしれない。 もっと細かく区切る人であれば、1年間の交換留学だったり1…

song of experience

記憶をなくすのは二度目だ。 緑伸びやかに萌え出づる三月、わたしの人生の節目に立ち微笑みを以って導いてくれた人たちと卓につく機会があった。再会を喜び、笑顔がたえずお酒は進んだ。その席でわたしは一番若く、折しも就職活動を始めてまもなかったのでや…