朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

ゴールデンウィーク明け

 

世間の心象がそのまま映し出されたような薄ら寒い曇天の月曜日。

正午過ぎにのそのそと起き出し名古屋の内定先に出す書類を記入して、寝巻きのまま郵便局まで出しに行く。期日までまだ余裕はあるのに、いつもの癖で速達にした。

駐輪場の重たい鋼製のドアを押しながら、私は平日の日中、意識的にエントランスを抜ける事を避けていると思った。深夜ゴミ出しに行く時を除き、滅多に正面玄関を通ることはない。

正当な居住者であり、学生の身分である私に後ろ暗い所があるという訳ではなく、単に管理人のおじさんと世間話するのが億劫になっているというだけなのだけど。

 

夕方は母と産婦人科に行った。診察のついでに血液検査をされた。私は母に似て血管が細いので採血の得意な人が来るまで待たされた。15ccの注射器一本分。大さじ一杯より少ない。

カーテンを潜って待合室に戻ったら、真四角の狭い空間は患者でいっぱいになっていた。女の人しかいない。外は雨が降り始めているらしい。

病は気から、のお手本みたいな話だが大さじ一杯採血されただけで貧血っぽい気がしてくる。貧血は二日酔いのような感じがして嫌だ。脳に微弱な催眠ガスが回っている感じ。会計が長引くので先に外に出た。

現代の若者にとって雨の夜の娯楽とは映画鑑賞だ。晴耕雨読。ちがうか。

ちょうど手元に保険証があるのでカードを作り直して無料クーポンでDVDをレンタルする。3ヶ月前に流行っていたアクション映画を手に取ってスーパーへ。洋画にはワインとチーズ。

 

産婦人科の問診票には、生理周期や服用中の薬の他に性交の有無を埋める欄がある。母にそれを見られた気がして勝手に気まずく感じた。

早く就活終わらないかな。