朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

時を刻む

学生時代に通っていたコーヒーショップが閉店すると聞いて最終日に覗きに行った。多くの人に愛された店の最期は、人の列が絶えない盛況ぶりだった。 こんなにも寵愛されているならば、廃業することもないのだろうけれど、個人店というのはそれなりの理由がそ…

書き癖について

ヘアサロンで髪を染めている。 染め粉で頭皮がピリピリするので、感覚を分散させるためになんとなく書いている。 まとまった文章を定期的に書かないのは良くない。伸ばしっぱなしの髪や爪のように、見てくれが悪くなる。 書く時に書いているという感覚を意識…

誤りについての考察

入社から2ヶ月が経った。 実は既に、二度仮病を使って会社を休んでいる。一度目は咽頭炎、二度目は婦人科系の病気というふうに。 まったくの嘘ではない。会社の飲み会のあとに扁桃炎をこじらせて高熱を出したし、生理前のPMSで気分の落ち込みと倦怠感があっ…

正しさについての考察

入社から1ヶ月が経った。 転職とは、進学というよりも転校に近いと思う。留学の初期の頃の感覚もある。 勤め先が変わったとて、ライフステージが進んだわけではないからだと思う。切り替わった場面の登場人物や背景画や役柄は異なるものの、労働における動作…

初日は蜜月

転職した。 20代らしく、他業種のベンチャー企業に。 基本給が上がることと、後々のキャリアのためというのが主たる目的である。 前の職場が恋しくなることもあるだろうから、1日目のことを書き留めておく。 休暇の最終日目前に扁桃炎をこじらせたので、あや…

大丈夫日記3

大丈夫な日は、朝起きてすぐにわかる。今日は凪の日だ。 夜中に救急車が往来を走り抜けるのを聞いて目を覚ましたので少し寝不足だ。寝る前に飲んだアルコールのせいかもしれない。 メンタルの調子が良くない時は飲まない方がいい。苦しくて悲しくて家の鍵も…

大丈夫日記2

部屋を片付けた。 穏やかな風がカーテンをくぐり体を撫でる。ひさびさに小説を読んでいる。 今日は天気がいい。日も暮れたし、もう少ししたら銭湯に行こうと思う。 台湾の友達と深夜の喫茶店で落ち合う約束をしている。 セブンイレブンのチーズインハンバー…

大丈夫日記

大丈夫だった日のことをなるべく記録しておく。備忘なのでとくに面白いことは書かない。 昨日は部屋を片していたら出てきたマイスリーを半錠飲んで寝た。ギリギリに起きて準備する。最近はストッキングを履くのがもう無理で素足で出社している。 午前中はや…

不真面目は治らない

真面目だね(それがいいところだね)と言われ育ったのに、何もかもが変わってしまった。 もともと真面目ではなかったのかもしれない。 ちょっと元気で、模範的で、正しいレールに沿っていただけ。 こんな私は誰も求めていない。 求められる私を求めることに…

anger

診断の結果、双極性障害またの名を躁鬱だった。 幸いにも軽度で経過観察の余地があるという。 本当に幸いであればおそらく私は心身共に健康であったろうし、生活に多少の不満はあれどODや大量飲酒、希死念慮とは縁のない人間であったろう。 全てのピントが狂…

続投

復職が決まった。もうまもなく、今の生活が満了する。 閉塞感漂う今の世の中を今まで通り生き抜けるかどうか不明ではあるが、身銭を得るために働く。 同僚曰く、私が休む前と比べて人の出入りが増えたらしいので元の場所に戻るにしても環境は変わると考えて…

寝て、起きて、食べてまた寝る

命はコストだという意見をSNSで見かけた。正確には、人命をコストと考える現代社会の在り方を批判する文意だったように思う。今、私は自分の命をコストとして捉え、刈るべきか刈らぬべきかの決断を先延ばしにしている。 いくつかのSNSアカウントを消去した事…

不要不急の暇つぶし

昨日は少し調子がよかった。 2020年5月8日 前日にマイスリーをチート使用して無理やり昼夜逆転状態を元に戻した。 朝6時に目が覚める。ベッドを出てお風呂に入ったのが10時。カップ麺を食べ終わったのが11時すぎ。 定時の薬を飲んで12時に家を出る。快晴だ。…

不要不急か否か

2020年4月25日 買い物をした。 相変わらず花と、しばらく買おうと思っていた安い美容マスクと、潰れてほしくない珈琲店のアイスココアをテイクアウトした。 病院の診察にどのくらいかかるのか分からないのと、働いていないので今後の経済事情が不透明である…

春來るらし

先週と打って変わって爽快な目覚めだ。 昨日は立春だった。 朝の起き上がりが軽くて、驚いた。 昨夜の就寝は遅かったので、朝しんどいだろうなと思いながら目を閉じた5時間前、いえいえ8時間睡眠でも足りない日はあるが、それで充分という夜だった。 朝ごは…

承承承承承承

地続きの生活にまた気が狂いはじめた。 精神が錯乱すると生活が乱れる。逆か。 どちらでもいいが、気が向いたら車の前に飛び出したりうっかり階段で足を滑らせる日も近い。 その予感が一番危険で、かつ甘美だ。 はやく大丈夫になるか、いっそ終わりにしたい。

言葉の返礼

友達から感謝の言葉をかけられた。 そのあとで、彼女は私の行ないを書き留め、改めて感謝の言葉を綴っていた。 言葉で抽出できるものは限られていて、不純物が混じるくらいなら沈黙がベターであることも多い。と最近は思う。 ただ、やはり語るという行為その…

起筆

わたしが大丈夫なことは、やっぱり、書くことでしか証明されないように思う。 就職してもうすぐ一年が経つ。 長さでいうと留学期間程度なのに鈍重な日々、わたしは自分を解放できていないことを感じる。 解放とは、別に自由時間を多くとることではない。だか…

あなたにとって愛して止まない大切な者は

恋人を実家に泊めた。 わたしの地元で夜ご飯を食べていて、ちょっと別れがたくて連れて帰ったら母は何でもないように先に寝て、朝はお味噌汁を二人分よそってくれた。 使い捨てのアメニティではなく、自分が普段使っているのと同じマレーシア製の歯ブラシを…

遠くに行かないといけないと思う。 誰にも言わずに。 何も求めずに。 今ここにいるべきではないと思ったらその感覚は永遠に続く。 そうして誰もいなくなってわたしだけが残る。

内側にこもりたい

普段立ち寄らない場所に行く必要があるのだと思う。今からカレーを食べたら自宅ではない場所へ向かいたい。 とは思うものの、同時にわたしは知っている。わたしはこのまま真っ直ぐ家に帰るだろう。 なぜならば地続きの生活と痛み止めの切れかけた重たい子宮…

生活とは特別なものではない

この時間、意外にも電車は空いている。 定時から一時間ずらして帰ると、ちょっとだけ得した気分になる。わたしの勤め先は髙島屋の前にあるのだが、デパ地下で割引された高級なお弁当を手に入れて祖父母に会いにいくと喜ばれるので、給料日後のまだゆとりのあ…

チャンスだと思うのでブログを書いてみる。 今日は半日缶詰で講義を受けてきた。ひとりの人間から言葉のシャワーを浴びるのが一番思考のリハビリになる、やはり。 論理を展開する男性の話に集中し、たまに眠気に襲われながらも内容についていけば、発語とは…

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Dear Life 共同住宅を扱う仕事をしていると、ごくたまに詩的な響きを持つ建物に出会うことがある。 ディアーライフ。その名前の美しさにしばし手を止める。愛すべき生活。紐付けされたナンバーも意味を帯びて見えてくる。 膨大な数の物件名に目を通し、出力…

メイクラブ

昨日はラブホテルに始まり、ラブホテルに終わった一日だった。 予定になかったチェックアウトから3時間後、小説を3冊買って新幹線に乗る。1冊は恋人が選んだ。しばらく前、話題になっていたラブホテルが舞台となる物語だ。 就職してからまとまった時間が取れ…

本当の言葉を喋るということ

必ずしもすべての人にとってそうではないが、彼女の場合、自分で考えた自分の言葉を話すということは、生命そのものよりも大切だ。 そういうわけで言葉とは、神聖にしてごく私的な領域であるため、自分の脳や身体を経由しない言葉を紡ぐ行為は許しがたいこと…

生活への敗北

優先順位の一番上がわからなくなるのがこわくて、ひとつのものを諦めることにした。わたしがわたしであるために払った大きな代償は、すでにもう取り返しがつかない。自ら殺す前に心臓は生き絶えていたのかもしれない。いずれにせよ蘇ることはない。 砂時計の…

hiro

地獄のように悲しい。 懐きたかった、懐かせてほしかったと言われた。 自分のことを嫌いになりたくない。 誰のことも嫌いになりたくないのになあ

内側に鳴る心臓

何かを失っても一ミリも減りたくないという気持ちがある。 そんなことは無理に決まっているけれど常に備えていたい。そして私を失って大きく減る存在がいてもやっぱり困る。私は私だけの実存だ。 そういう前提の上で覚悟を持って生きたい。生きることは孤独…

猫の足跡

5pm 新宿 東京で一番忙しい駅の小さなお店でエーデルピルスとレバーを注文し、これを書いている。いつも最後の一席が見つかる。 昨日まで二日と一晩(厳密にいうなら丸二日) 好きな子と一緒に居た。私のゴールデンウィークの最たるゴールデン部分だったと思…