朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

メイクラブ

 

 

昨日はラブホテルに始まり、ラブホテルに終わった一日だった。

 

予定になかったチェックアウトから3時間後、小説を3冊買って新幹線に乗る。1冊は恋人が選んだ。しばらく前、話題になっていたラブホテルが舞台となる物語だ。

就職してからまとまった時間が取れず、細切れのように朝と帰りの電車で単行本を読み繋ぐ日々だ。でもなぜかこの週末はどことなく学生時代の週末のようで不思議な気持ちになる。

小説のタイトルはホテルローヤル。7篇短編に共通する大道具。しかし主題は生活だ。ラブホテルという非日常と対比して浮き彫りになる日常。登場人物たちは生活を強いられている、読んでいて苦しいほどに。

 

最近時々、学生時代に送っていたものは生活と呼ばれる別のものだったのではないかという気がする。

仕事をし、同じ日々を反復していると身体はどこへでも行けるという事実を忘れる。否、どこへでも行けるというのは幻想ではないかという考えもひょっとすると自分の中に根付いて久しい。

 

東京から500km離れた場所へ時速200キロを超えて移動する中、架空のホテルローヤルを想像する。

駅に到着したら社宅に住む友人が神妙な面持ちで待ち構えていて、規定を破り罰則を受けた同期の事例を発表し、わたしたちは23という名前のラブホテルに宿泊することになるのだった。

 

この話に続きはない。