サイゼリヤでワインを飲みすぎると決まって頭痛がやってくる。
池袋から最寄りの駅までずっと大きかった耳鳴りは、通り雨に湿ったプラットホームに降り立つと酔いとともにどこかへ消えていった。秋の夜の外気に触れて目が醒める。
一番仲の良い大学の友達と別れた後、決まって口の中は煙草の味がする。別にキスなんてしなくても四時間向かい合って座っていれば同じようなものだ。
今日のゼミで扱った作品は、エクレアを性的に描写したものだった。性欲と食欲を結びつけたアートは結構好きだ。お腹の中にすとんと落ちる。ただ、純粋に性愛の詞よりも生々しく、より個人の身体に差し迫ったモチーフなので、それらについて議論することは苦手だ。肉薄する誰かの息遣いを翻訳するなんてナンセンスなのだ。
生活と足並みが揃わない。