好きな子のことをどういう風に好きか、どうやって好きが始まったかを覚えておきたい。
二月には小さな友達として好きだった。はじめましてをした時の遠慮がちな感じとか人馴れしていない不器用さ、控えめな素直さが好ましかった。徐々に懐かれるくすぐったさがあった。
三月には変わっていた。近づいて親しくなってお互いの顔を見て話すことができるようになった。わたしは人の目を見て話すことが苦手だ。照れてしまうから。その子の視線が固定されはじめてどぎまぎした。
四月にはもう恋人としてお付き合いしていくのだ、という空気があって、それは安心のもとでも不安のもとでもあるのだけど、とにかくわたしたちの関係にはひとつの名前がついてしまった。そこだけを切り取ると今は都合が良くても、いつか不都合が出てくるのでは、とおそろしい。臆病になった。
最適な関係性をアップデートできたらいいなぁ。この話はきっと伝わらない。