朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

快楽原則の彼岸



嫌なもの、不快な思い出を取り出して何度も見てしまう現象はなんなんだろう。
なぜ人は2ちゃんねるを覗き、パクツイアカウントの閲覧にいそしみ、言質を取ったとでもいうかのように失言のスクリーンショットを撮り、私は口内炎を舌でグリグリしてしまうんだろう。単なるマゾヒズムの一言では片付けられない気がする。
生の欲動エロスとは矛盾するようにして存在するタナトスの暗い欲望。こっちへおいで手の鳴る方へ、と嗤っている。
そっちへは行きたくないなと思っていたはずなのに気づいたらそちら側の人間。動いたつもりは一切ない。そっちへは行きたくないよ。できれば嫉妬も憎しみも恐れも抱かずに毎晩眠りにつきたいし、希望に満ちた朝がやって来てほしい。
しかしどうしたって後ろ向きに引っ張られてしまうのだ。前進しているつもりでもベルトコンベヤーを逆走しているならその努力は徒労というものだし、多分ベルトコンベヤーの進行方向は永遠に変わる事はない。私が行きたいのはそちら側ではない。私が生きたいのはそちら側ではない。そちらとはどちら?平衡感覚は失われてしまった。失われたものは戻らない。覆水盆に返らず。It is no use crying over spilt milk. 覚えてるものだね案外。あんなに嫌だった英語の授業の思い出を取り出して語ってしまう事になるとは。あなたは私の口内炎です。

憧れが憧れであり続けるには後ろ向きに流れていくベルトコンベヤーをずっとずっと逆走しなければいけない、なんて思ってないよ。少なくとも人類全てがそうであったなら私はここに存在していない。と思う。最初は憧れだったはずなのになぁ。本当にそうだったかな?後ろ暗い感情を誤魔化してはいなかった?尊敬してるなんて笑いながら陰で粗探ししていたり。倒錯に倒錯また倒錯。ベルトコンベヤーは止まらない。ゴール見えないんですけど。棄権は可能ですか?エントリーした覚えすらない。給水所とかないですかね。出来れば水以外も欲しい。いや水だけでいいから浴びるほど飲みたい。飲んで、飲んで、私の身体の内側を巡るドロドロの血液の色が変わるまで給水したい。
王様の耳はロバの耳!