朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

延焼

 

猫みたいなあくびと

赤ん坊みたいな泣き顔

涙は出ていないし声も出ないのだが、表情が痛いと言っているようで

 


目が開き、時たま手を握りかえす

ほら今、笑いかけた という父らの すがるような祈りが虚しい

反射に過ぎない 意思の表示 意識の保持 きっとほぼゼロに近い

それでも

思ったより生きていた

思ったよりずっと

 

彼女の 絵手紙があるから燃えられる という直筆のはがきを見たとき 不覚にも 深く深く 触れてしまった その熱に

火傷して帰ってきた