朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

古いアルバイト先と新しいアルバイト先について



今月から、新しいアルバイトを始めた。通学路の途中にある個別指導の塾で、文系科目を教えている。ひとつ前のバイト先も塾だった。教える科目、対象にほぼ変わりはない。
前の塾でやっていた事は積み木に似ている。一回一回の授業で先生はひっしになって組み立てる。夢のお城でも、エッフェル塔でも、東京タワーでも。でもしまいには、つまり授業のおわりにはそれを壊してお道具箱の中に戻してしまう。
今度の塾でやっていることは、例えるならパズルだ。誰が作っても目的が、完成が同じなのだ。最後の1ピースをはめるのが誰であれ、公平に、寸分違わずにおんなじだ。
気まぐれのような積み木に飽きた先生は小さな決別の連続にうんざりしてパズルの世界にはまる。