朝のコインランドリー

洗うものは山ほどあるんだけど

春來るらし

 

先週と打って変わって爽快な目覚めだ。

昨日は立春だった。

 

朝の起き上がりが軽くて、驚いた。

昨夜の就寝は遅かったので、朝しんどいだろうなと思いながら目を閉じた5時間前、いえいえ8時間睡眠でも足りない日はあるが、それで充分という夜だった。

 

朝ごはんに豆大福を食べる。

おいしい… しばらく朝ごはんを抜いていたので、自分の食欲に感動してサンドイッチまで食べる。

ストーブの前にドライヤーを持ち込んで歯磨きも済ませる。完璧では?

ここまでで、いつもお風呂から上がるくらいの時間。余裕があってよろしい。

 

マフラーを着けずに家を出る。シャツに腕を通すのも久しい。

結局のところ、何がうまく作用して健康的な朝を過ごせたのかはわからない。

前夜の月曜に定時退勤したことが功を奏したのかもしれないし、その後に観た映画が今年一面白かったからかもしれない。その後寄ったお店でおいしいお酒を一杯飲んだからかも。少し歩いたことも良かったのかなぁ。

帰宅後すぐに着替えてちゃんとした夜ごはんを食べ、自分の髪から匂う煙草の硝煙が気になって入浴し湯船につかるまでスムーズだったからかも。

 

理由探しはいい時もわるい時もしてしまう。その時になってみないと分からないのにね。

ともかく今の私はきちんと息ができている。

 

承承承承承承

 

 

地続きの生活にまた気が狂いはじめた。

 

精神が錯乱すると生活が乱れる。逆か。

どちらでもいいが、気が向いたら車の前に飛び出したりうっかり階段で足を滑らせる日も近い。

 

その予感が一番危険で、かつ甘美だ。

はやく大丈夫になるか、いっそ終わりにしたい。

言葉の返礼

 

 

友達から感謝の言葉をかけられた。

そのあとで、彼女は私の行ないを書き留め、改めて感謝の言葉を綴っていた。

 

 

 

 

言葉で抽出できるものは限られていて、不純物が混じるくらいなら沈黙がベターであることも多い。と最近は思う。

 

ただ、やはり語るという行為そのものがダイナミズムであって、その熱が伝えるものは言葉以上の何かなのだ。

 

そして沈黙とは、勝負から降りることなのだと思う。

わたしは何か言われても黙らない子だった。絶対に、何か言い返した。そうでないとあとで悔しくて堪らなくなるからだ。

でも、癖となった“しっぺ返し”は一言多い、素直じゃないと評価され、どうやら私という人格のマイナス要素になるらしかった。

 

クソ食らえだ。

くだらないジャッジでわたしの口はちっとも減らない。そんなものはわたしの口を塞がない。

わたしは黙らない、必要だとわたしが思ったときに言葉は紡がれる。

 

 

とはいうものの、乗らなくてもいい勝負と譲れない勝負の見分けくらいはするべきだと考えるようになった。

そうだねぇ。

起筆

 

 

わたしが大丈夫なことは、やっぱり、書くことでしか証明されないように思う。

 

 

就職してもうすぐ一年が経つ。

長さでいうと留学期間程度なのに鈍重な日々、わたしは自分を解放できていないことを感じる。

 

解放とは、別に自由時間を多くとることではない。だから、わたしがどうにかこうにかうまく仕事量や人間関係を(むしろ消極的なやり方をもって)やりくりすることで同僚よりも多く自分の時間を持とうとする、それだけではコンパスが解放を指し示さない。

 

何か別のやり方があるはずだ。

 

そもそもの話、時間というのは海であって身体がたゆたう一隻の小舟としたら、コンパスはまだ存在しないことになる。

 

そこで冒頭に戻るが、書くことでしか進路は拓けないのだ。

自らの言葉を紡ぐことが推進力となり、活路を見出すほとんど唯一の方法なのだ。

ほとんど、というのは、何せ書くべきことが前提として必要なのと、個人的には食べることも動力源だから。

 

もっと書かねばと思う。

今のわたしには書くこと自体が目的かつ手段だ。

あなたにとって愛して止まない大切な者は

 

 

恋人を実家に泊めた。

わたしの地元で夜ご飯を食べていて、ちょっと別れがたくて連れて帰ったら母は何でもないように先に寝て、朝はお味噌汁を二人分よそってくれた。

使い捨てのアメニティではなく、自分が普段使っているのと同じマレーシア製の歯ブラシを渡したら、うちの家族の歯ブラシ群に恋人用の紫色のものが増えていてなんだか温かい気持ちになった。きちんとした身分を与えたようでうれしい。

 

会社の昼休みに、日本橋髙島屋でやっている資生堂の展示を見に行った。

赤が美しく、さまざまな光の当て方をされたオブジェクトは興味深く、30分では少し足りないくらいかもしれない。

 

f:id:waiting4love:20190926075904j:image

 

 

メッセージの印刷された長方形のカードが配置されていて、一枚お取りくださいと書かれている。

メッセージごとに残り枚数に差があったのが面白かった。

 

f:id:waiting4love:20190926075814j:image

内側にこもりたい

 

 

普段立ち寄らない場所に行く必要があるのだと思う。今からカレーを食べたら自宅ではない場所へ向かいたい。

 

とは思うものの、同時にわたしは知っている。わたしはこのまま真っ直ぐ家に帰るだろう。

なぜならば地続きの生活と痛み止めの切れかけた重たい子宮は他の選択肢を無効化しているからだ。

 

言葉遣いも、交わる人も、そこに無限に存在していたはずの匂いごとベールで覆いつくしてしまった。

 

幸福はかつての方法でわたしを驚かせたりしない。当たり前を繋ぎ止めるために存在する。まるでそれが唯一の正解とでも言うように。