普段立ち寄らない場所に行く必要があるのだと思う。今からカレーを食べたら自宅ではない場所へ向かいたい。
とは思うものの、同時にわたしは知っている。わたしはこのまま真っ直ぐ家に帰るだろう。
なぜならば地続きの生活と痛み止めの切れかけた重たい子宮は他の選択肢を無効化しているからだ。
言葉遣いも、交わる人も、そこに無限に存在していたはずの匂いごとベールで覆いつくしてしまった。
幸福はかつての方法でわたしを驚かせたりしない。当たり前を繋ぎ止めるために存在する。まるでそれが唯一の正解とでも言うように。